強迫性障害
1. 概要
強迫性障害とは、心配事や不安にとらわれ、それらを打ち消すための行動や考えを止めることが難しくなってしまう病気です。
2. 症状
強迫性障害の症状には、頭に繰り返し浮かぶ「強迫思考」と、それを打ち消すための「強迫行為」があります。
強迫思考には「ドアのカギを閉めただろうか」「手に汚れがついていなだろうか」という身近な内容や、「靴を脱ぐ時はつま先を揃えて10回繰り返さなくてはならない」といった、回数を含んだものがみられます。このような考えは自分の意思とは無関係に浮かんでくるものであり、大きな苦痛をもたらします。
強迫行為は、強迫観念を打ち消すために行われる行為のことです。施錠を何度も確認する、数時間にわたり手を洗う、何度も靴を脱ぎなおすなど、強迫思考の内容によってさまざまです。
強迫思考や強迫行為により、待ち合わせに遅刻してしまう、皮膚がひどく荒れてしまう、時間がかかりすぎて生活しにくい、といった影響が出ます。
3. 診断・検査
強迫思考や強迫行為の内容について詳しくお聞きします。診断は丁寧な問診で行います。
症状について詳しくお聞きするとともに、普段はどのように対処されているのか、症状がひどくなるきっかけはあるか、などを確認します。
4. 治療
強迫性障害にはお薬の治療と認知行動療法が有効です。お薬の効果が出るのに時間がかかりますが、しばらく続けることが大切です。また症状の内容について話し合い、ご自身の症状の捉え方や、対処法について相談します。また、症状に合わせて生活スタイルを見直し、適切な行動習慣を身に付けることも大切です。
5. まとめ
強迫性障害は生活に与える影響が大きく、ときに大きな苦痛をもたらします。また、長年にわたって症状が続いている方は「不便だけど、なんとかなる」ということで治療が遅れてしまうこともあります。うつ病など、他の病気に発展してしまうことも考えられますので、早めに医療機関に相談することが大切です。